#10『なんとかなるはなんともならない』

いよいよあの3月11日が来ます。
3月7日のサンデーモーニングは10年経った東日本大震災での
東京電力の危機管理を指摘していました。
日本安全神話、うちだけは大丈夫、その根拠のなさに
私たちは学ぶべきことはたくさんあります。

あれからの10年間でどれくらいの甚大化した災害があったでしょう。
平成28年熊本地震、
平成30年北海道胆振東部地震、
令和元年山形県沖地震、
平成30年7月の西日本豪雨、
平成30年9月の台風21号、
令和元年9月は房総半島台風(15号)、
翌年の令和元年10月には東日本台風(19号)、
いずれも河の氾濫でたくさんの尊い命が奪われたり、
住むところが奪われたりした方々がいました。

こんなに頻発化して激甚化している災害を見て、
うちのところだけは大丈夫なんて思う人は
もういらっしゃらないと思います。
でも、では対策は、と聞くと、いやそれがなかなかできないですねー
という会社がほとんどだと思います。

少なくても自身の社員さんが生き延びるための
3日間分の食糧備蓄はあるでしょうか。
東北、北海道ならばもしそれが冬に起きた場合の
暖を取る手段を想定して保存してあるでしょうか。

水や燃料、乾電池の備蓄は?
停電になったときにはどうやって連絡を取る?
もし離れ離れになってしまったらどうやって家族や会社の役員は集まるの?
強風、集中豪雨、台風、水害、地震、津波、
いろんな災害においてのシミュレーションはしていますか?

本来ならば、災害が起きたあとにすぐにライフラインとして
立ち上がらなければならないと期待されているのはトラック運送です。
でも、皆さんも同様に被災者となる確率は100%です。

少なくとも、社会からライフラインの一つとして期待されているトラック運送は
自身が被災していても家族を置いてでも
いかねばならないことも多々出てくることでしょう。
だとしたら、日頃から想定できる災害においてはしっかりとした対策をし、
その上で社会貢献に走るべきと考えます。

もちろん他地区からのトラック運送の応援もあるかもしれません。
しかし、それも限りがあります。
だとしたら他の産業よりも一刻も早く立ち上がらなければならない。
そのためには家族を置いてでも行かねばならない社員の家族のことまで
しっかりと想定した災害対策の計画を立てていただければと思います。

それを国土交通省も期待しています。
だからこそ、運輸安全マネジメントから独立させた運輸『防災』マネジメントを
推奨しているのです。
これからは防災も会社の経営計画の一環としてお考え下さい。

少なくとも東京電力のように何もしていなかったのに
「想定外」だったなどと言い訳をしないように、
しっかりと対策を練って、急にはできないことも予算化して
着実に各年で計画をしていってもらいたいと思っています。

もし、この考え方をもっと知りたいというのであれば、
ぜひセミナー等でお呼びください。
ご自身の会社のリスクを考えるうえでも大事なポイントになると思います。

もう10年と言うべきなのか、まだ10年と言うべきなのか。
私たちが考えなければならないことはたくさんあります。

「なんとかなるはなんともならない」

明日はあらためて一瞬で奪われてしまった
たくさんの命に黙とうをささげたいと思います。


投稿日

カテゴリー:

タグ: