#17 『命に代えて』

お疲れ様です!今年初のメルマガとなります。

ひどい天気ですね。まぁ冬だとわかっているとはいえ、
全国各地でひどい天気をニュースで見るたびに
ちょっとやっぱり地球がおかしくなってきているな
ということを思うのは私だけではないはず。

昨日今日も新潟県、石川県、京都市、松山市などのニュースが
あちこちで報道されていました。
以前にも運輸防災マネジメントの記事を皆さんにお送りした際には
同じようなことを書いたとは思いますが、
物流はどこを走ってもおかしくないことを考えたら万が一のことを想定し、
危機管理・リスクヘッジをすることは大事なことだと思っています。

年明け早々の1月10日に北海道も大雪警報が出ました。
わかってはいたのですが、その日を逃すとまた1ヶ月くらい調整が必要であろう
社長と急いでどうしても話したいことがあり
(ドライバー養成学校の出資の件で)覚悟を決めて行きました。

10日のお約束は午前10時と言われましたので、朝忙しい私は少々きついな、
と思いながら(しかも夏場でも自宅からは小一時間かかる小樽です。)
5時に起きて支度を始めました。
出発したときには高速道路は開いていたので大丈夫かなぁと思いながら、
途中まで行くと高速のインター直前で『通行止め』のラジオが。

とほほ、と思いながら直前で石狩方面からのう回路を選択し、そちらへ。
小樽直前のインター「銭函」(北海道以外の方はご存知ないかと思いますが)
で小樽へ向かう5号線に合流というところでストップし、
なんだろうと待つこと20分。
じりじりと10時が迫ってきています。
(9時の段階でもうすでに会社には連絡を入れ高速道路が通行止めなので
多少は遅れるかもしれませんと連絡は入れたものの)

あまりにも車が動かないので吹雪の中、車を降りて渋滞の先へ行ってみると、
空車の平ボデーがスリップしたのか横向きになり道路を封鎖しています。
銭函も小樽も坂道が多く、空車でそこを登ることは非常に危険。
とはいっても行かねばならなかったのでしょうが。

もうその風景を見た瞬間、これは絶対にしばらく動かないわ、
と判断しUターン。
下道の5号線へ合流。おお、やはりかなりの渋滞だ。
でも少しずつ動いている。となんとかそこへ合流。
のろのろと運転していたら、また少ししてストップ。

SNSをご覧になっている方はそこからの私の様子はご存知だと思いますが、
セミトレーラが3台スタック。それでもしばらくして動き始め、
ようやく小樽へ到着しました。

40分遅れて到着。社長にお詫びを申し上げて40分ほどお話をさせて頂き、
さて札幌へ帰る前に。
普段、防災のこと、災害マネジメントを話している立場の私としては、
一つ悪く考えてもし渋滞に巻き込まれたらと当然考えるわけです。

コンビニへ行き、用を足し、水とパンを2つ買い込みました。

そして案の定、帰りの5号線で立往生に4時間ほど巻き込まれるわけです。
3日間高速の中で立往生に遭われた方から見れば、
たった4時間と思われるかもしれませんが、
1人で乗っているからトイレにも行けない、
いつ動くのかわからないから居眠りもできない、
燃料は刻々と無くなっていく、そしてなんの情報もない、
いつ動くのかもわからない、
そんな中でずっといなければならない4時間を想像してみてください。

でも、そんなふうに巻き込まれることがわかっていても
そうなってしまうことがあることを想定したうえで、
物流に携わっている皆さんは準備をしなければならないのではないか
と思います。

少なくとも大雪に巻き込まれ立往生してしまった場合で、
燃料の心配をしてエンジンを切らねばならない状態になったときの保温は
ダウンでもなく毛布でもなく『貼るカイロ』です。
これくらいであればドライバーに朝行くときに渡してあげられるはずです。
これにダウンと毛布があればなんとかしのげます。(でも本当に寒いですよ。)

会社の立場としてはそのくらいの福利厚生はしてあげましょう。
あとはスコップ、水、チョコレートがあれば命を落とすことはありません。

が、しかし、です。巻き込まれた私が言うのもなんですが、
そんなときに絶対にスタックするであろう状態で、
坂道多い地域に出発させることって必要なのでしょうか。

以前、こんなことを言っていた社長がいました。
「うちはみんなが運べない、
と言っているようなひどい天候のときでも根性で運ぶのが自慢だ」と。
一瞬耳を疑いました。
だって、
「え?あなたが運んでいるわけじゃないでしょう?
行くのはドライバーさんでしょう?」ですよ。

最近の暴風警報、大雨警報、暴風雨警報、暴風雪警報、
どれ一つ見ても以前みたいな状態ではないことくらいわかるはずです。
今は天候被害が甚大化しているこの昨今、
無理してでも行かせる美徳ってなんなんでしょう。

昨日も倒木で亡くなった方がいます。
走っている車両に当たる可能性もあったと思います。
風、雨、雪、どれ一つ取っても命を落とす人が増えてきているのです。

だから、私はよくセミナーで言います。
「命と引き換えに運ばなければならないものは無い」

JRも飛行機も運休をする時代です。
それが当たり前になってきている時代なのです。

今日は警報が出ているので、運送をお休みさせてください、
と言える会社、そしてそれはそうですね、と言える荷主。
そんな関係を作り上げてほしいと思います。
それが、私は社長の大事な仕事だと思っています。

どうかこれからもしばらくひどい天候が続くようです。
皆様の会社が事故無く過ごされますようお祈りいたしております。


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