#16 『今年のトップ3』

今年もあとわずかとなりました。
そして、今年もずいぶんとあちこち行かせてもらいました。
呼んで頂けたお客様には本当に感謝です。
北海道くんだりから飛行機代かけて呼んで頂けるなんて本当に講師冥利、
行政書士冥利に尽きるのです。

今年は、若い社長さんもしくは継承者の方々の熱い想いをたくさん聞いた年でした。
そして、今回は私の大好きな尊敬するトップ3の運送業の社長のお話をさせて頂きます。

父が亡くなってもう10年経つなぁとしみじみと先日お話されていた社長は元銀行マンで50代前半。
(私の中ではお若い(笑))そして会社を継いだときは、
配車をし終わってから長距離のドライバーをやっていた、と言います。
適度な野蛮さと強引さを持ちながらも(笑)運転手としての経験と、
銀行マンとしての緻密な計算とデータから自社の経営の方向付けをしています。
この方にはずいぶんと私も勉強させて頂きました。
3カ月毎の訪問の契約をしていますが、
行くたびにいろんなことをトライされていていつもびっくりします。
本当に運送事業のモデルになってほしいくらいです。

とくにここの地域は中小企業家同友会の影響を受けている方が多く、
しっかりと経営指針を学ばれていることから経営にブレがない。
年度末に送られてくる経営指針書は冊子となっており、これからの自社の見通し、
業界の将来性など膨大なメッセージが記載されていますが、
それよりなにより最初の4ページの社長の想いが見事です。

そして、これについては詳しくは続編で書きますが、
この方、この度、
誰でもできる配車システムを銀行のシステム開発の社員さんを焚きつけて開発したのです。
俗にいう属人性を無くしたいというのが目的です。
俺がいなきゃこの会社回らんのだ、と豪語している運行管理者がいる会社にお勧めです。
これがあれば、女性社員さんでも、入ったばかりの若い社員さんでもできる。
そして一目でわかるので無駄が無くなります。
ぜひご興味のある方は佐々木までメールをください。
この会社ではなくそこの銀行さんの管理となっているそのシステムをご紹介します。

同じくトップ3のうちの中の1社である次の会社。
現会長(父親)と経営方針の違いから戦いながら、
でも、
「自分が採用した人達に責任をもって最後まで一緒に仕事をしたいんだ。そのために僕はがんばるんだよ。」
と涙ぐみながら決意をお話される若社長には特に心を打たれました。
相変わらず頑固な創業者と戦っていますが、このような状況下にいる方は全国に結構いらっしゃいます。
それだけの部会を開いてもいいくらいだと思っています。
そのご苦労にいつも頭が下がりながらも、
こういうことを言える人に出会うために私は長年仕事をしてきたように思います。

この方も上記の社長同様、ものすごく緻密な資料を作成されます。
ドライバーの燃費、デジタコの評価、時間、
給与など膨大なデータを見ながら今後の荷主との交渉をしていく様は、
これからの経営者の理想像を彷彿させます。

そして2024年に向けて、中長距離の輸送に悩まされながらも
なんとか解決していくべく取り組んでいる姿には頭が下がります。
ここの社長はギアシステムという一番星という運送業向けの経理ソフトを開発している会社とタイアップして、
給料のシュミレーションができるシステムを開発しています。
このシュミレーションは、いろんな条件を設定して入れることでこれから時短となった場合、
何で補填をしていくか、何を膨らませて現在の給料に近づけていくことがいいのかを考えることができ、
これからの問題解決に一役買いそうなものでおススメです。
これもまたご興味のある方は佐々木までご連絡をください。

このお二人に関しては、本当に運送事業の将来を憂いており、
もっと一致団結して何かを交渉していかねば運送業界はやる人がいなくなるのでは、
とよくお話していました。

私も同感です。
もっと若い人達が一致団結すべきです。
社長一人で荷主と戦って孤軍奮闘する世の中から変わってほしい。

だって、皆さんはまだまだこれからたくさんの時間を
運送事業とともに過ごしていかねばならないのに。
なのに、政治と一緒で、上で決められた人達のルールの中で生きている。

上の人たちは、もう完成された会社が多い。
だから今の法律でも耐えられると思っている。
でも現場はそうじゃないことが多い。
そのために自社の中の整備も必要ですが、
もっと外へ向けての改善も必要になってくると思っています。
そのために戦ってほしい、と切に願っています。

さて、最後に私のもう一人尊敬する社長のご紹介をして今年のメルマガを終了します。

この社長は上記お二人よりは少し年上です。
何年前でしょうか、
コロナ前にまだ盛大にホテルで大人数のセミナーをしていた頃にお会いしました。

そして、セミナー後の懇親会で「先生、今度うちに来てや。」とおっしゃり、
私はそのまま額面通りに受け止めて、後日ご挨拶に行きました。
そこの会社はそんなに莫大な車両数はありませんが、グループ会社がたくさんあります。
そこで、社長室に通され、
「この間の話だけど、先生うちの会社とグループ会社の顧問をしてくれ。」
とおっしゃられました。

その当時くらいから、士業に対する顧問料というのは難しくなってきており、
税理士の顧問料でさえ安くなり、
弁護士ですら顧問契約をしなくなってきている昨今、私は驚きました。
ご提示させて頂いた金額は行政書士としては破格の値段です。

でも何も言わずこちらの話をじっと聞いてくださり
「よしわかった。佐々木さん、この会社を良くしてくれな、頼むぞ。」
とおっしゃられ、すぐに契約は決まりました。
最近はコロナで頻繁に行くことはできませんが、
それまでは、毎月お邪魔させて頂き、社内研修、会議等、情報提供をさせて頂いておりました。

ところがコロナになり、社内で人が集まるのは控えるようになり、
私もなかなかお邪魔するのが難しくなっており、足が遠のいておりました。
そうしているうちに当方も母が亡くなり、
葬儀、四十九日、新盆などとあっという間に年月が過ぎた昨年。
ずっとお伺いもできずに気が引けて顧問料も請求するのが心苦しくなり、
もう今後は、というお手紙を書きました。そうしましたら、すぐにお電話を頂きました。

「ずっとお伺いもできておりませんので。」とお話しましたところ、
「何を言っているんだ。何かの形でうちの会社を守ってくれていればいいんだ。
ずっとやってくれよ。それよかもう大丈夫なのか?心配していたんだぞ。」
とおっしゃってくださいました。
本当に暖かいお人柄で、そのお言葉で精神的にまいっていた私は本当に涙が出ました。

その後もずっとずっと顧問契約は続いています。でも全然会社にはお邪魔できていません。
私は一体ここの会社に何をしてあげられているんだろう、と最近は自問自答することが多いです。
答えが出ないまま、先日久しぶりに会社にお邪魔してきました。

「ずっと顔見てないから心配していたんだぞ。元気なのか?」とおっしゃられ、
2024年問題をどうするのかを少しお話し、よし、来年からまた頼むぞ、と変わらずのお言葉を頂きました。
普通ならば、もう少しお叱りのお言葉があっても然るべきだと思いお邪魔したのですが何も触れずに。

懐が深いというのはこういうことを言うのだ、とあらためてその姿で学ばされた瞬間でした。
人というのはこうあらねばならない、を教えて頂いた気がします。

そして、そうなると人間というのは、この人のために何かしたい、してあげたい、と思うものです。
あらためて一生懸命お仕事させて頂こうと、そう決意した年末でした。

いろんな形の社長の姿がありますが、どなたも皆熱い想いを持っていらっしゃいます。
その熱い想いを試行錯誤しながらも、もがきながらも、
実現していく上でその横を一緒に走ることができることを私は幸せだなぁと思います。

どうか皆様も、2024年問題が目の前に近づいてきている来年は、課題を解決していかねばなりません。
法律が、ではなく、どうやったらドライバーが人並みの生活と人生を送れるのか、
というところをぜひお考えいただければと思います。

人並みに彼女とデートする時間、人並みに家庭を持つ給料、
人並みに家のローン組める信用、人並みに趣味も持てる時間、
人並みに子どもとディズニーランドへ行ける休暇。
そんなことが夢ではなく実現できるような業界にしていければと思います。
それが実現できたらきっと、次世代の人たちもこの業界に来てくれることでしょう。

まずは、年末年始、どうか事故無くお過ごしください。

また年末年始の暴飲暴食は身体を痛めるだけですのでどうかご注意を。
そして、口に入れるモノは、若くても若くなくても(笑)
急激に血糖値の上がるもの(白いもの)は少量で。
そしてお肉やお魚、野菜のあとに摂るようにしてくださいね。

糖尿病の予備軍かもと思う方はご面倒でもお食事の後に軽く運動
(歩く、本当はスクワットが一番効果的といいます)だけでも改善します。
ぜひお試しください。

良いお年をお迎えください。来年も健やかなる一年でありますように。


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