#9『運転者台帳の意味』

こんにちは。
最近お会いする方から、メルマガ楽しみに読んでいますと言われると本当にうれしく思います。さらに皆さんに有益な情報になるものを、と思うのですが、ついつい私見の私信で本当にすみません。

先日、東海電子のメールが来て、気になるタイトルがあったので少しお伝えしておこうと思います。

『点呼よりも運転者台帳違反が多く指摘(四国運輸局監査2020年11月度)』

違反件数が少ない四国のことなので、一概には言えませんが(お断りしておきますね)
私が最初に顧問契約をして、すぐに内部の書類を拝見させて頂き、やはり一番気になるのは運転者台帳です。

なので、本日は、運転者台帳の大切さというのをお伝えします。

皆さんに義務付けられている、もしくは巡回指導や監査で「これはつけなければいけませんよ」と言われている書類の中でも重要度というのがあって、その重要度というのは何かというと『(貨物自動車運送事業法)輸送安全規則(ゆそうあんぜんきそく)』という皆さんの業種で一番身近で、一番大切な法律に記載されているものがそうなります。
その一つが運転者台帳です。(輸送安全規則第9条の5)

だから、当然不備があると罰則も厳しくなる。

でも皆さん必ず言うんですよ。
『せんせー、運転手がぁ出入り激しくてつけても辞めることが多いから落ち着いてから書こうと思っているんですよー。』と。

いや、そういうことではない。と私は心の中でつぶやきます。

まず、運転者台帳は社員名簿と同じです。(社員名簿も兼ねていると言った方が正解。)
採用されているのにどうせやめるかもしれないからと社員名簿に載っていない。
あなたが、そのやめるかもしれないと思われている社員ならどう思いますか?

まずは新しく入って来た仲間の運転者台帳を作る。
そこにまず、社員さんをどう迎えるかという想いが反映されてくるのです。

そんな雑な扱いしているから、すぐに辞めてっちゃうんだよ、、、と心の中で思いながら(汗)まずは現在いる社員さんの台帳を見ると、まぁそういう会社はそれも大体不備。

その法律の中で、運転者台帳に記載義務がある項目は9つ。
まぁね、本人の住所や生年月日、免許証の番号なんてのはまぁまぁ書いてある。
でもそこから先はほとんど記載されてないことが多い。

『雇い入れの年月日』と『選任年月日』が違うということを記載する事務方が知っていれば「あぁここの会社はしっかり勉強しているな」とあらためて認識する。
(採用してから14日間は試用期間だから乗せてはいけないと法律で決められているから)

そして、一番大事なところ。(そのまま書くと難しくて長いので簡単に書きます。)

六;運転経歴(事故あるか、違反があるか)
七;運転者の健康状態
八;特別指導の実施と適性診断の受診状況

ここが一番肝心ナンデス。(台帳の裏側にここの項目ありませんか?)
どうして? そのドライバーの特性を一番反映しているから。

ドライバーさんはみな同じではない。みんな違う個性もあり、クセもある。
そこをしっかりと見て声かけていますか?

近年、点呼の重要性を問われています。
そして、健康起因事故も重要視されてきた。

業務中、すなわち出発してから帰ってくる間に事故を起こされたり(労災含め)、病気で死んでしまっては困るのです。(業務外でも困りますけどね。)

でも事故には必ず原因があります。
それがドライバーさんの不注意に絡んでいることは非常に多い。

ましてや高血圧のドライバーさんをそのまま出発させてしまって、車の中で死んでいたというケースも多くなってきている。

朝の点呼しかどのドライバーがどんな状況にいるのかを見る機会はないのに、点呼執行者は問題意識もなく、そしてそのドライバーをしっかりと「見る」ことなく、通りいっぺんの点呼しかしないで出発させてしまう。
だから事故や健康起因事故は起こるのです。(不慮の事故というのもあるのですが。)

でも防げるものはあったはず。そして、事故を起こすドライバーはごく限定されていて、何度も起こすドライバーには特に何度も根気強く指導をしていかなければならないのに、なんにも声もかけていない。

そのドライバーの特性を一つにまとめたものが運転者台帳です。
上記に書いた六~八の項目がまさにそうではありませんか?

その情報を見ないでただただ通りいっぺんの点呼だけして、年一の安全大会やって安心しているなんて、傍から見ていたら恐ろしいことオソロシイコト。

毎日の点呼執行者にこそ、教育が必要。なぜ点呼が必要なのか、という教育を。
そして、点呼する際のそのドライバーに対する情報源は『運転者台帳を見れば』一目瞭然。

事故を減らしたいなら、まずは運転者台帳の充実を。
そのドライバーさんが適性診断でどのように評価されているかによって、声かけも変わってくるはず。

年一、月一の勉強も大事だけれども、毎朝出発前に愛情をもって『あなたにはこういうくせがあるからこういうことに今日も気をつけてね』と言われ続けることによってその人格に浸透して人は変化していく。
毎日言われ続けることによって、習慣となっていくのです。(歯磨きと一緒)

今や企業は人づくりが大切と言われています。
今までどこでもしてくれなかった教育を(いくつになっても)していくことで人は変わっていくのです。

一人ひとりの目の前にいる仲間を大切に。

これからはそういうことができる会社に人が集まり、強くなっていきます。

本日も長文をお読みくださりありがとうございました。


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