良かれと思ってやっていたことが結果、人を傷つけたのだ。
いろんな人に嫌な思いをさせて、私は一体何をしているのだ。
それなのに、私はみんなのために、とか思い、いい気になっていた。
みんなのことを考えているふりをして、結果自分のことしか見えていなかった自分自身に
海より深く反省した。
人を見ていなかったのだ。
自分自身の気持ちを吐き出す度に、嫌な思いをさせていることすら気づかない愚かな人間だったのだ。
以来、自分がどう見られているのかを真剣に考えるようになった。
物を言うときにも、言葉に注意深くなった。
あのときに、一瞬で私は人格が変わったと思う。
いい年してもうあいつの性格は変わらないよ、と言う人いるけれども、私は違うと思う。
愛情のある叱責で人は変われるのだと悟った。
数年して、長年働いてくれた私の母と同年齢の経理の社員が、「そういえば、先生、しばらく怒っていないですね。どうしたんですか?」と聞いてきた。
苦笑しながら、まぁね、いろいろ考えてね、と答えたが、きっと社員もそう見ていたのだろう。嫌な思いをさせた。
でも、あのときのことを振り返ってみると、
鼻っ柱の強い私は、きっと嫌いな人に同じことを言われてもまったく聞かなかったと思う。
この人に言われたら素直に聞くが、
あなたには同じことを言われても聞きたくないという人もいる。今も。(笑)
みんな、同じではないか、と思うのだ。
では、人に何か聞いてもらいたいと思うならば、まずは人間関係をきちんと作るのが先ではないか。
でも、人間関係がなくても、言わなければならないときがある。どうすれば、いいのか。
話すときには自分自身の感情はいっとう最後に回せ、と、とある先輩に言われた。
大事なのは相手を思う気持ちだ。
どんなに厳しいことを言われても、その人を思う気持ちが伝われば、その気持ちは伝わるものだと、そう思う。
人間関係なくして、この世は生きていけない。
なのに、人間関係がうまくいかないことのなんて多いことか。
冷静に見ていると、それはきっと我を通したときなのだろうね。
自分が悪いのにね。
私は人を変えることはできないけれども、そんな大それた人格も能力もないけれども、
自分自身は死ぬまで変わり続けていこう、自分が変わることで人が変わってくれたらいいな。
I専務との付き合いは、
そう素直に思えるようになった『大事な瞬間』を持てた大切な大切な時間でした。
佐々木ひとみ