「事故が減ったのはこれだ!?」#4

 

2回目の会食の時、所長は「副所長は今家庭が大変なんですよ」と話していた。

あぁ、そうですか、それは大変ですね、と私は答えたが、同席していた副所長の心はここにあらず、という感じに見えた。

半年に一回の訪問だと、その半年間の変化がよく見えるときがある。

 

その後また彼は新たな生活を送ることになるのだが、そこから寝坊遅刻居眠りはひどくなってきたという。私は睡眠時無呼吸症候群はないのか、と聞いた。もちろん、それも検査しました、でもなんでもないのです、と所長がほとほと困った顔で私に言った。

「あれでは営業所を任せるのは無理です。」

 

そのとおりだ。

また今彼はそんな気もないのだろう。仕事も大事だが、プライベートもその人の人生の中では重要なことだろう。

しばらくしたらプライベートが少し落ち着いて仕事のことを考えられるのではないか、ある程度落ち着かないといくら話したところで聞きやしないね、

と所長と二人で話していた。

 

プライベートのことを無視して仕事はできない。今では個人のプライベートにあまり干渉することはタブーな時代になったが、

会社として仕事に支障をきたすようなことになるのであれば、これは話は別だ。特にこの商売は居眠りはご法度なのだ。

 

これは一般論だが、付き合う相手を選ばないと、仕事にも支障をきたす。

最近では嫁ブロック、親ブロックなどもあり退職する人も多いらしい。

せっかく入れても数日、数ヵ月後に退職などざらにあるのだ。

 

所長は相変わらず、そこの営業所を一人で切り盛りしている。

私は今回も所長にも言ったのだが、なんでも一人でできちゃうと後続が育たないよ、任せないと、と。 (続く)

 

佐々木ひとみ