「雨の日には」

 

今年の北海道の6月は30度を超える週があったかと思うと、ストーブにスイッチを入れる日が続いたり、不安定だ。

 

昨日は久しぶりの北海道らしいさわやかな天気だったが、今日はまた曇り。

雨がふるかもしれないな。

 

私は小学校6年生になるときに慣れ親しんだ函館から父の転勤で札幌に来た。

知事公館のすぐそばに社宅を借りたので転校先は大通小学校だった。

現在はもう廃校になり、合併して資生館小学校という札幌の繁華街「すすきの」にある学校になったところだ。

 

小さいころからお嬢様育ちだった母はセレブ志向で((笑)注意;うちはセレブではありませんし、私はお嬢様育ちではありません。一般のサラリーマンの家庭です。)

二人姉妹で長女だった私に書道、英会話、ピアノなどたくさんの習い事をさせていた。

 

おかげで、まだ2歳なのにヤマハ音楽教室でオルガンをひかされている記憶がまだ鮮明に残っている。書道にあたっては、小学校低学年だったから、ある程度の練習が終わったら当然手のひらに墨を塗りたくって半紙に手形を押して遊んで洋服も何もかも墨だらけにして怒られた。

 

なんでもそうだが、楽しいうちはいいけれどもだんだんレベルが上がると苦しくなる。

習い事あるあるだ。

 

転勤族とはいえ、一軒家があたるくらいの企業に父は勤めていたので、大通にありながらも私たちは一軒家に住んでいた。当然、ピアノもある。

 

雨がふりそうな天気になるといつもここのシーンを思い出すのだ。

居間にピアノがあり、父も母もいないときにひとりピアノを弾く。

 

当時はもう6年生だから、それなりのハイレベルの課題曲の練習をしなければならないのだが、こっそりと「荒井由実(今は松任谷由実)曲集」というスコアを買い一生懸命練習した。大好きな曲があったのだ。

「やさしさに包まれたなら」、「ルージュの伝言」、「卒業写真」、「中央フリーウェイ」等々なつかしいな。

 

でも、どうしても弾きたい曲があった。当時の私にしてみれば精一杯大人の曲だった。

「ベルベットイースター」ようやく弾けるようになってそっと弾きながら歌ってみた。

できるではないか!

 

それ以来、雨がふるのが楽しくなった。

だって、晴れの日に歌ってもぜんぜん雰囲気出ないのだ。

元来脳天気な私は、絶対的に快晴が好きなのだ。でも、この曲のおかげで雨の日も好きになった。

 

その後、33歳でスキーとテニスを始めることになる。生粋の道産子なのに物心つくまで雪の少ない函館育ちだったせいもありスキーはまったくできなかった。

それでも、小さいころに習い事をさせられていたおかげで習い事には抵抗がない。

 

朝里スキースクールに3シーズン通った。1シーズン70~80回くらい土日祝日時には平日も夜通い、滑って滑って初心者コースから中上級クラスまではなんとかあがった。

途中検定を受けようと思うと必死になる。雨でぐちゃぐちゃの日も猛吹雪の日もレッスンはあるのだ。おかげで今となっては、猛吹雪の日もまったく苦にならなくなった。

 

雨の日でも冬の猛吹雪の日でも楽しもうと思えば楽しめる。

過去のさまざまな経験と体験が精神をタフにさせてくれる。

どんなに吹雪の日でも命の危険がない限り、楽しんでお客様のところに行くことができる。

 

雨が降っていても、吹雪いていても必ず晴れる日が来る。

そう思えるようになったのは、小さい頃、たくさんの経験をさせてくれた母のおかげでもある。そして、そういう環境にさせてくれた周りの方々、長い人生に感謝だ。

 

佐々木ひとみ

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